静岡講演■徳川家康の生涯
来週の静岡講演(徳川家康の生涯)に向けて、過去に書いた原稿を何度も見返しています。
何度も見返すのは、暗記するためではないんですよ。ネタを深めるためです。ここはもっと言い換えたほうがいいとか、ここはお客さんにネタを振ろう、
ここはバッサリ削ろうとか。ここは理解不足だ参考文献を読み直そうとか…どんどん内容が変化して、深まっていくのが、楽しいです。
だから私は当日の講演にもまして、準備している期間が好きです。
というわけで、今週末11月24日15:00より、静岡で開催します。「徳川家康の生涯(ニ)小牧・長久手の合戦」
↓↓↓音声が再生されます↓↓
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第一回のようすは静岡新聞に紹介されました。
今回の第二回は長篠の合戦、武田家の滅亡、本能寺の変を経て、小牧・長久手の合戦までお話します。
小牧山城
小牧・長久手の合戦というと、徳川家康・織田信雄(のぶかつ)連合軍と羽柴秀吉軍の間で、にらみ合いと小競り合いが続いた。
結局、戦術的には家康が勝ったが、織田信雄が秀吉に降参したことにより戦略的には秀吉の勝ちとなった。
小牧山
いまいちパッとしない戦い、というのが一般的なイメージです。
長篠の合戦における鉄砲隊の活躍や、関ヶ原の合戦における小早川秀秋の裏切りのような、派手な見せ場が無いことも、印象を薄くしています。
さらに、「小牧・長久手合戦」といいながら実際には「小牧」で戦いは行われず、戦いは「長久手」周辺のみであったことも、「なんじゃそりゃ」って感じです。
しかし。
小牧・長久手合戦は徳川家康 対 羽柴秀吉の、天下分け目の大戦であり、戦国史のターニングポイントともいえる戦いです。その重要さでいえば長篠にも、関ヶ原にも劣るものではありません。
また小牧・長久手合戦の跡地は広く愛知・岐阜・三重にまたがっており、特に名鉄小牧線沿線には多くの史跡が残っています。それらを歩き回るのも楽しみなことです。
犬山城
というわけで今回は「小牧・長久手の合戦」をクライマックスとして語ります。地図や系図を用いて、わかりやすく解説していきますので、「まったく知識がない」という方でも楽しめる内容となっております。
スライドを写しながら説明しますので、特に戦場の動きは、ただ話を聴くだけよりも、ずっとわかりやすくなっております。
また、『徳川実紀』や『名将言行録』などから、徳川家康や周辺の人物についての逸話も、紹介していきます。
たとえば、
本能寺の変が起こった時、家康は堺見物の最中でした。そこへ茶屋四郎次郎から信長討たれるの知らせが届く。
「なんということだ!この上は京都に上り、切腹して殿と死を同じうしよう」
取り乱す徳川家康。その時、本多忠勝が、
「殿、何をおっしゃいますか!犬死してどうなります。それよりも三河に下り、軍勢を集め、明智光秀を討つべきです!」
老臣の酒井忠次もこれに同意。
家康は気を取り直し、堺から河内へ、山城の宇治田原(うじたわら)を抜け、近江の信楽(しがらき)に至ります。信楽では代官屋敷に迎えられました。大変でしたでしょう。御家来の方々も、こちらに赤飯をご用意しております。
なに赤飯!徳川家康以下、腹が減りまくっていたのでグワッと用意された赤飯に食らいつき、箸は使わず、素手で貪り食ったといいます。
それから伊賀の山中を抜け、伊勢に出て、伊勢の白子浜(しらこはま)から船に乗ると、家康はよほど安心したのか、蜷(巻き貝)の塩辛をおかずに、ご飯を三杯かこきんだと伝えられます。
こうして海を渡り、三河の大浜につき、無事、岡崎城に帰還したという、徳川家康三大危難の一つに数えられる「伊賀越の難」です。
たとえば家康が、小田原北条氏の最期を見越したようなエピソード。
家康のもとに九年母(くねんぼ)という南洋渡来のめずらしい木の実(インドシナ原産みかん科の常緑低木)を献上したものがいた。それで家康はその九年母を北条のもとに100個ほど送った。
すると北条の家来たちは「これは橙(だいだい)ではないか。小田原ではどこにも生えている。浜松ではこんなものがめずらしいのか。なら送ってやろう」といって長櫃に入れて八人の人夫にかつがせて浜松に橙を送った。
家康はこれを見て「北条の家臣たちは食べもせずに橙と判断しこのような無礼なふるまいをするのだな。主君はともかく家臣がこれでは将来どんな間違いをしでかすか」そんなことをつぶやいたと。
そんな小ネタもまじえながらお話していきます。徳川家康という人物は膨大なエピソードが残っていますから、人間性の伝わってくるようなニヤリとさせる話も多く、面白いのです。
講演後は静岡駅近くの居酒屋で打ち上げを予定しております。ぜひこちらもご参加いただけますと、幸いです。
お問い合わせ・お申込みは静岡同志社クラブ 杉山航一郎まで
https://ur0.link/NDN4
今週末11月24日15:00より、静岡で開催します。ぜひご来場ください。