こんにちは。左大臣光永です。日に日にむし暑さが増す昨今、いかがお過ごしでしょうか?

本日は商品のご案内をさせていただきます。
聴いて・わかる。『伊勢物語』CD-ROM版です。

※音楽用CDではありませんのでご注意ください。パソコン用データCD-ROMです。


http://sirdaizine.com/CD/mp3/IseInfo2.mp3



『伊勢物語』というと古文の時間に「東下り」や「芥川」を習った。でもその他はよく知らない…という方が多いのではないでしょうか?

『伊勢物語』は全125段からなる、平安時代初期の作者不明の歌物語です。歌物語…つまり和歌を中心に、歌の詠まれた状況をふくらませるような形で、短い物語になっています。

それぞれの物語は、つながりがあるような、ないような、ゆるい感じでつながりあっています。そして全体としては一人の男が、元服してから死ぬまでをゆったりと描いていきます。

主人公のモデルは在原業平といわれますが、史実の業平そのものではなく、別の人物のエピソードがまじっていたり、物語的な飛躍があったりします。このへんの虚と実が入り混じった不思議な感覚も、『伊勢物語』の大きな魅力の一つです。

断片的に見えた短い物語が相互に響きあい、つながりあい、全体として一人の「男」の一代記が浮かび上がる……その構成は、さながら壮大な組曲のようで、ロマンをかきたてられます。恋愛あり、友情あり、旅の情緒あり、政治的な駆け引きあり…内容もバラエティに富んでいます。

そして、何より素晴らしいのが、【歌】です。

感動が高まり、最高潮に達したところで挿入される【歌】!特に人生の局面をズバリ凝縮したような歌は、千年を経た現在でも、変わらぬ強さで心を打ちます。

世の中に絶えて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし

月やあらぬ春や昔の春ならぬ
わが身一つはもとの身にして

禁断の恋 高子と業平

『伊勢物語』の主要な筋の一つとして、業平と高子(たかいこ)の恋の話があります。

藤原高子は藤原氏の娘で、 藤原氏が娘を後宮に入れて権力を拡大していく 一環として、清和天皇に嫁がされます。

一方の業平は、平城天皇を祖父に持ち、 元皇族ではあるものの、 臣籍に降下して在原の姓を賜った在原氏の男です。

高子と業平
高子と業平


そして在原氏は、藤原氏が繁栄を極める一方で、日に日に勢いをそがれ没落の道をたどっていました。

一方は繁栄を極める藤原氏の女。

一方は没落の一途をたどる在原氏の男。

しかし、そのような事情には関係なく、まだ若い業平は高子のもとに親しく通ってきます。業平が御簾の内まで入ってきて、高子さま、高子さまと取りすがると、

「なりませぬ。なりませぬ業平。
こんなことがバレたらお互いに身の破滅ですよ」

「そうは言っても高子さま、
私は気持ちを抑えられないのです」

思ふには忍ぶることぞ負けにける
逢ふにしかへばさもあらばあれ

あなたを思う心の前に、我慢する心は負けてしまいました。
貴女に逢うためなら、どうなったってかまいません。

帝の女御である高子に、大胆にも恋歌を詠みかける業平。若さに任せてつっ走ります。しかし、一方でやはり恐ろしくもなってきました。

(こんなことをしていたら、本当に身の破滅だ。帝への反逆だ…)

そこで業平は神に祈り、御手洗川で禊をします。どうかこの恋心を止めてください。しかし、ああ神はお聞き入れにならぬのか。いよいよ気持ちが募るばかりだと歌を詠みます。

恋せじと御手洗川にせし禊
神はうけずもなりにけるかな

一方の高子も苦悩していました。

「私がお仕えしている帝は
見目うるわしく、仏のようなお心で、
声は尊くてあらせられるのに、
どうして私は帝を裏切って、
こんな男の情にほだされて……
う、うううううう…」

当人たちにもどうにもならない情念のままに、破滅へとつきすすむ二人。歌を一首重ねるごとに、理性ではどうにもならない深みにはまっていく二人。恋の情念のすさまじさ。

さてその行く末は…

酒と歌の日々

そしてもう一つ。

業平と惟喬親王(これたかしんのう)との友情(?)も、『伊勢物語』の主要な筋の一つです。

惟喬親王これたかしんのう(844-897)。

文徳天皇の第一皇子で、父天皇の寵愛ことに篤い皇子でした。必ず将来は皇太子に立つものと期待されていました。

惟喬親王と惟仁親王
惟喬親王と惟仁親王


しかし惟喬親王は母方が藤原氏ではありませんでした。

対して第四皇子の惟仁親王(これひとしんのう)は母方が藤原氏であり、藤原氏の強力な後押しによって皇太子に立ちます。後の清和天皇です。

その後、清和天皇が藤原高子との間に貞明親王(さだあきらしんのう)を生み、生後3ケ月で皇太子に立てます。後の陽成天皇です。

ここに至り惟喬親王が帝位につく望みは完全に絶たれました。惟喬親王26歳の時でした。

惟喬親王は、第一皇子でありながら位につけない鬱屈した思いを慰めるように、風流の遊びに没頭していきます。

歌を詠み、酒を味わい、管弦の遊びに興じました。 大阪の水無瀬の離宮にお供を引き連れておでましになり、 歌を詠み酒を飲んでは春の宴を楽しみました。

そして惟喬親王のお側に いつも控えてお仕えしていたのが……



在原業平です。

「業平、もう一杯だけつきあえよ」
「わが君、私はすっかり酔ってしまいました。
今宵はもうご勘弁を」

などと言って。

歌と酒に明け暮れた、若き日々を業平と惟喬親王は共有したのです。

業平は19歳年下の主君惟喬親王を敬いもし、不憫にも思う一方、友人のように兄弟のようにも、思っていたのではないでしょうか。

しかし風流の遊びも惟喬親王のお心を晴らすことはなかったようで…貞観14年(872年)、惟喬親王は29歳で御出家し、洛北小野の里(八瀬)に隠棲なさいました。

何もかも、変わってしまった…

翌年の正月、在原業平は小野の里に惟喬親王を訪ねます。比叡山のふもとで、雪がたいそう深く積もっていました。

「業平、よく来てくれた。寒かったであろう」
「もったいないお言葉です。皇子さまこそ、
このような山里でのわび住まい。何かお入用のものがあれば、
なんなりと業平にお申し付けください」

などと言い合い、しばし楽しかった昔のことを語らいました。昔といっても…水無瀬の離宮で春の宴に興じた、あれはわずか一年前のことなのに。

すっかり何もかも、変わってしまった…そう、まるで、この雪景色のように。

業平はゆっくりしていきたい気持ちは山々ながら、正月は宮中の行事が多いため、宮仕えの身で時間が自由になりません。後ろ髪を引かれる思いで、夕暮れに、雪の中をふたたび帰っていきました。

忘れては 夢かとぞ思ふ 思ひきや
雪踏み分けて 君を見んとは

ふと現実を忘れ、今のことを夢かと思います。思いもしませんでした。
雪を踏み分けて貴方を訪ねていくことになろうとは。

本製品は

本製品は『伊勢物語』全125段を、10時間半にわたって朗読・解説したCD-ROMです。

単に『伊勢物語』という一つの個別な作品を解説したものではなく、「和歌(歌)」そのものの入門篇となるよう作成しました。

日本の古典を見渡すと、どちらを向いても「和歌(歌)」に出会います。

『古事記』『日本書紀』をはじめとして…『万葉集』『古今和歌集』といった歌集はもとより、『竹取物語』『源氏物語』などの物語、『平家物語』『太平記』といった軍記物に至るまで、

和歌が登場しないものはありません。

和歌の味わい方、楽しみ方を知っておけば、古典文学、さらに、日本文化全般への理解が深まります。

しかし『万葉集』は言葉が難しすぎ、『源氏物語』は長すぎてとっつきづらいという問題があります。

その点、『伊勢物語』は一段一段が短く、独立した物語になっているので、読むのに骨が折れません。どこから読み始めてもよく、和歌のおもしろさに気軽に触れることができます。

それでいて調べ始めるとどこまでも奥が深く、一生つきあっていける豊かな世界が、そこにはあります。

勉強と身構える必要は一切なく、楽しんで聞いているうちに、自然と内容が頭に入り、奥深い古文の世界に引き込まれていくことでしょう。

また『伊勢物語』を通して歌の面白さ、奥深さに触れれば、『伊勢物語』に限らず日本の古典を読む際に、さらに日本文化や日本人そのものを知る上でプラスになるはずです。

内容は

『伊勢物語』全125段すべての現代語訳と原文による朗読音声と、解説音声。そしてテキストPDFから成ります。

●音声について
音声は、各段ごとに「現代語訳→解説→原文→(場合によって)補足説明」という流れです。

最初に現代語訳の朗読を聞くことで大まかな内容が理解でき、その記憶も新しいうちに原文を読むので、無理なく内容が理解できます。

『伊勢物語』の歌にはかなり難解なものも多いですが、「先に現代語訳を聴いて大まかな内容を頭に入れる」ことで、理解がしやすくなっています。

「解説音声」は、いつもメルマガで話しているような感じで、楽しく、わかりやすくをモットーに、現代語訳だけではよくわからない部分(たとえば歴史的背景など)も補いながら、解説していきます。

別に、「原文のみの朗読」もご用意しました。

最初に解説つきの音声を聴いて、内容が頭に入ったら「原文のみの朗読」を聴くというふうに、使ってみてください。難解な歌も、意外なほど理解できるはずです。

●テキストPDFについて
テキストPDFの内容は、各章ごとに「現代語訳」-「原文」-「語句解釈」-「解説」という構成です。特に「語句解釈」は、朗読で語るには不向きな、細かい知識事項や、注意点を記しました。朗読とあわせて読むことで、よりいっそう『伊勢物語』の理解が深まり、その奥深い世界に、ますます魅了されることと思います。

●要約版について
『伊勢物語』は全125段と長いので、特に有名な段や重要な段だけを選んだ「要約版」を作成しました。「あまり時間がない」「エッセンスだけ知りたい」という方は、この要約版をお聴きください。

現代語訳-原文、原文-現代語訳と繰り返し聴いているうちに、最初はわかりにくかった歌の意味が自然につかめるようになり、歌の味わい深さ・面白さ・古文のリズムの気持ちよさが、体で実感できるようになるはずです。

日本人の中に息づく「歌」の心。

そもそも和歌はスサノオノミコトがクシナダヒメと結婚する際、結婚の喜びを詠んだ歌にはじまると言われます。

以来、日本人は喜怒哀楽や四季折々の美しさを歌に詠み込んできました。思いが高ぶり感極まった時、日本人は五・七・五・七・七のリズムにその思いを結晶させてきたのです。

歌について知ることは、あなたの中にも深く息づいている日本人の感性、物の見方・感じ方を掘り下げることです。

はらはらと舞い散る桜を見て、ああいいなあと思いつつ、一抹の寂しさも覚える、あの感じ。


京都 高瀬川の夜桜

日本人として、ふだんは意識もしない、深く眠っている、体の一部ともなっている五・七・五・七・七のリズムを掘り下げて 、日本について、そしてあなた自身について、再発見してほしいと思います。

お申込みは今すぐ。お支払方法は、銀行振り込み・代金引換・クレジット決済・コンビニ決済をご用意しています。ぜひご検討ください。

↓↓サンプル音声「初冠」
(現代語訳 → 解説 → 原文 → 補足説明)

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期間限定価格:¥3400円(送料無料)

本日も左大臣光永がお話いたしました。ありがとうございます。
ありがとうございました。

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朗読・解説 左大臣光永

左大臣プロジェクト運営委員会代表・左大臣光永。主に古典や歴史の解説音声や朗読音声を販売しています。メールマガジン「左大臣の古典・歴史の名場面」は読者数1万5千人。楽しく歯切れのよい語りで好評をいただいています。

平成23年パナソニック映像(株)の社内セミナーで「おくのほそ道」の講演。東京都教育委員会の学習コンテンツシステムにて『平家物語』、『論語』、漢詩の朗読を担当。平成24年4月〜9月TAMA市民大学TCCで「はじめての『平家物語』」講演。10月〜3月「百人一首の歌人たち」講演。4月〜「松尾芭蕉とその時代」講演。マリエッタ(株)スマートフォン用アプリ「華麗なる百人一首」で朗詠音声担当。三省堂(株)学校教科書の副読本付属CDで古典や漢詩の朗読担当。平成25年、広島県海の見える杜美術館にて菅原道真のナレーション担当。



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