李白─
酒と月と人生を愛した、
中国最大の詩人

李白は8世紀初頭、盛唐の時代に生まれ、46年の生涯の大半を放浪の旅の中に過ごしました。

千篇あまりのすぐれた詩と、数々の伝説を残して世を去りました。

今なお「中国最大の詩人」として、世界中で高い評価を受けています。

朝辞白帝彩雲間
千里江陵一日還
両岸猿声啼不住
軽舟已過万重山

朝(あした)に辞す白帝彩雲(はくていさいうん)の間(かん)
千里の江陵一日にして還る
両岸の猿声(えんせい)啼いて住(や)まざるに
軽舟(けいしゅう)已に過ぐ万重の山

朝焼けの空に五色の雲が美しくたなびく中、白帝城を出発し、千里先の江陵まで一日がかりで戻ってきた。

両岸から聞こえる寂しげな猿の声がなりやまぬうちに、私の小さな舟はもう幾万にも重なった山々を通り過ぎてしまう。


本サービスは李白の代表的な詩33篇を、日本語と中国語で朗読し、現代語訳と解説を加えたものです。

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李白の詩の魅力とは?

李白の詩の魅力とは何でしょうか?

まず第一に、その豪快さだと思います。

流れ落ちる滝を「飛流直下三千尺」と歌い、長江を流れ下る船のスピード感を「千里の江陵一日にして還る」と大胆に表現し、

君見ずや黄河の水天上より来たるを 奔流海に入ってまたかえらず」と常人の思いもよらない発想で歌い上げる…

故郷・蜀の地へ続く険しい山道のことは 「噫吁戲(ああ) 危ふきかな高い哉 蜀道の難きは青天に上るよりも難し」と、 一度聴いたら忘れられないリズムで歌い上げます。

しかも李白の詩の雄大さは、単に景色を歌っているのではなく、 景色に、人の心、心理が重ね合わせられています。

「飛流直下三千尺」と流れ落ちる滝の豪快な景色に 重ね合わせて、俺もこの滝のように、 ひとかどの者になるぞ、という深い決意が感じられるのです。

李白の詩を読んで、高ぶり、励まされるゆえんです。

一杯一杯また一杯」と陽気に酒を進めてくるかと思うと、 「千金散じ盡くせば 還た復た來たらん」… 金なんてなくなってもどうせまた入ってくる。 それよりも今、飲んで騒ごうと背中を叩いてくれる心強さ。

そして酒をあおりながらも 「天 我が材を生ずる必ず用有り」(天がこの才能を俺に授けたのだ。必ず用いられる時が来る)と、 あくまで自分の才能を信じている前向きさ。 励まされます。非常に高ぶります。

一方で繊細なセンチメンタルな詩も多く、 豪快さと表裏一体をなす李白の詩の特徴になっています。 日本でも人気の高い「静夜思」。

牀前月光を看る
疑うらくは是地上の霜かと
頭を挙げて山月を望み
頭を低(た)れて故郷を思う

意味もわかりやすく、しっとり憂鬱にくれる感じが、 故郷を遠く離れて故郷をしのんでいる様子が 日本人にも共感されやすいのか、とても人気の高い詩です。

月下独酌

私は大学時代に、
李白の「月下独酌」という詩を知りました。

李白が一人月明りの下で飲んでいるという詩です。 月と、自分と、地面にうつった自分の影と。 これで酒を飲む仲間が三人になったぞと見て、外で飲んでいるのです。

あえて訳は書きません。月の下で舞い踊る詩人の姿をイメージしながら聞いてみてください。

月下独酌 李白

花間一壼酒
獨酌無相親
舉杯邀明月
對影成三人
月既不解飮
影徒隨我身
暫伴月將影
行樂須及春
我歌月徘徊
我舞影零亂
醒時同交歡
醉後各分散
永結無情遊
相期遥雲漢

月下独酌 李白

花間(かかん) 一壷(いっこ)の酒、
独り酌(く)んで相(あい)親しむもの無し。
杯(さかずき)を挙げて名月を迎え、
影に対して三人と成る。
月既に飲(いん)を解(かい)せず、
影徒(いたづらに我が身に随う。
暫(しばら)く月と影とを伴い、
行楽(こうらく)須(すべか)らく春に及ぶべし。
我歌えば月徘徊(はいかい)し、
我舞えば影零乱(りょうらん)す。
醒(さ)むる時ともに交歓(こうかん)し、
酔うて後は各々(おのおの)分散(ぶんさん)す。
永く無情(むじょう)の遊(ゆう)を結び、
相期(あいき)す遥かなる雲漢(うんかん)に。

「なんてカッコいいんだ!」

大学生だった私は、感激して、すぐに李白のマネをしてみました。

夜中、公園に酒を持ち出して、 月の光の下で飲みました。

もっとも当時住んでいたのが池袋ですから、 夜に闇なんか無いんですが…

心の中には李白気分で、独り盛り上がっていたのです。 サンシャイン60の空中庭園で日本酒を飲んだ時は、 特に気分が高揚しました。

大学生だった私は「月下独酌」を、 ひたすら風流で、カッコいい詩と思っていました。

しかし、違ったのです。

この詩は単に風流でカッコいいだけでは、なかったのです。

この詩には宮廷の人間関係に溶け込めない 李白の孤独感がにじみ出ているのです。

うっくつした感情の、裏返しで、 陽気さが前面に出ているのです。

私はそれ知り、ますます李白の詩が、 人物が、好きになりました。

本製品は、

李白の代表的な詩33篇を、日本語と中国語で朗読し、現代語訳と解説を加えたCD-ROMです。

膨大な李白の詩の中でも、

●日本でも愛唱されて馴染み深いもの
●あまり難解でなく、背景説明の必要が無いもの
●言葉の抑揚が美しいもの

を中心に33篇を選びました。李白の名作といわれる詩は、
ほぼ網羅できているはずです。

李白の生涯をたどりながら適宜、
詩の朗読と解説を挿入するという構成になっています。
通して聴くと、李白の詩とともに
李白の人物像が浮かび上がってきます。

日本語朗読・解説 左大臣光永

日本語朗読と解説は、私左大臣光永が担当しています。

左大臣プロジェクト運営委員会の代表として古典・歴史の語りを行っております。楽しく躍動感のある語りと好評をいただいております。2017年より平安京の歴史と文化を語るため、京都に移住しました。メールマガジン「左大臣の古典・歴史の名場面」は2010年より、1300回以上にわたって配信中。現在、京都と静岡で定期的に講演中です。

中国語朗読

中国語朗読は北京出身で現在、東京で中国語講師をされている王紀超さんに担当していただきました。

はじめまして王紀超と申します。
私は中国の北京から来て、日本で13年間中国語を教えています。日本が大好きで、仕事も好きです。趣味は本を読む事、音楽を聞く事と文章を書く事です。たまに生徒さんから中国語のブログを見たいといわれるので、自分のブログも作りました。中国語を勉強している皆さんの役に立てればと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

今回中国語の朗読部分、左大臣光永さんから依頼が有りまして、喜んで協力しました、本当に日本の方々に漢詩の素晴らしさを伝えたくて、気持ちを込めて精一杯練習して、録音しました。 

例えば、「月下独酌」と言う詩の朗読を録音するときに、李白当時の一人での考え、一人での楽しい気持ち、また一人での寂しい気持ちを感じるために、私もお酒を飲みながら、この詩の朗読を録音しました。他の朗読でも声をぶるぶる震えるところもあります、日本の方はこの部分を聴くと「遣りすぎじゃないの?」と思われるかもしれないですが、詩と言うものはやっぱり心で読まないと、味が薄くなるので・・・・・

「李白 詩と生涯」CD-ROM版

本サービスは李白の代表的な詩33篇を、日本語と中国語で朗読し、現代語訳と解説を加えたものです。

収録内容

戴天山の道士を訪うて遇はず
峨眉山月の歌
蜀道難(NEW)
秋荊門を下る
早発白帝城
春夜洛城に笛を聞く
内に贈る
黄鶴楼送孟浩然之広陵
孟浩然に贈る
客中行
静夜思
長干行(NEW)
将進酒
子夜呉歌
清平調子其一
清平調子其二
清平調子其三
晁卿衡を哭す
月下独酌
魯郡の東 石門にて杜二甫を送る
金陵城西樓月下吟
宣州謝チョウ樓餞別校書叔雲
独坐敬亭山
友人を送る
山中問答
山中にて幽人と対酌す
酒を把りて月に問ふ(NEW)
望天門山
汪倫に贈る
望廬山瀑布
戦城南(NEW)
南流夜郎寄内(NEW)
春夜桃李園に宴するの序(NEW)

収録時間: 約3時間

※本製品はパソコン用データCD-ROMです。音楽用CDプレイヤーでは再生できませんので、ご注意ください。


価格:3000円(税込)






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李白の述懐

晴れて玄宗皇帝の宮廷詩人として召し抱えられた李白でしたが、
あくまでマイペースで、人に命令されることを嫌いました。

また、酒癖が悪く、酒の上での失敗により、
わずか3年で長安を追われることになってしまいます。

ふたたび放浪の旅についた李白がある時、
驢馬にまたがって県令の前を通り過ぎようとした時、
役人がこれをとがめると、李白は言いました。

「私はかつて吐き捨てたへどを皇帝にふきとらせ、
楊貴妃の持つ硯で詩をあらわし、
宦官高力士に靴を脱がせ、
皇帝の門前を馬に乗って通った。
なのに今や驢馬に乗ることも許されぬのか!」

これを聞いて役人は、
この男が噂にきく李白かと思い、謝りました。

人の世の頂点と
どん底をともに体験してきた李白ならではの、
しかしどこか人を食ったところもある、
実に李白らしい述懐だと思います。

最後は水の上に浮かんだ月をつかもうとして
川に落ちて死んだという伝説もいかにも
人を食っていて、李白らしいですね。

どこまでが事実で、どこまでが伝説なのか?

ボンヤリした薄霞の彼方で、
李白という人物は酒を片手にニヤニヤ笑っているように思えます。

というわけで、

「中国語朗読つき 李白 詩と生涯」発売です。

特典の「解説 安史の乱」は、5月12日お申込みまでの特典となります。お早目にどうぞ。

本日も左大臣光永がお話いたしました。
ありがとうございます。ありがとうございました。

※本製品はパソコン用データCD-ROMです。音楽用CDプレイヤーでは再生できませんので、ご注意ください。


価格:3000円(税込)






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