つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

こんにちは。左大臣光永です。本日は商品のご案内をさせていただきます。

聴いて・わかる。『徒然草』全243段 dvd-rom版

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『徒然草』の全243段を原文で朗読した音声と、

現代語訳で朗読した音声、

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他人との関わりは少ないほど、よい

徒然草全243段。そのみどころ、魅力はとても一言では言い尽くせないのですが…たとえば人生論・人間論みたいな話があります。

「世俗のしきたりは、どれも避けられないのもばかりである。いちいち付き合っていたら、一生はこまごました雑事で埋め立てられて、それだけで人生が終わってしまう。

日は暮れたが、いまだに道は遠い。もうどうしようもない…そういうことに、なるのである。だから、あらゆる縁を捨て去るべき時だ。信用など守らなくていい。

礼儀も思わなくていい。物狂いと言はば言え。正気を失っているとも、人情に欠けるとも思うがいい。人が文句を言ったって、苦しむまい。誉めても聞き入れまい」

つまり…、

いちいち世間のことに構っている暇はないと。人生は短いのだから、あの行事、この行事、人との付き合い、もうそんなこと言ってたら、それだけで人生が終わってしいますよと。

他人との関わりは少なければ少ないほど、よい。

だから吉田兼好は生涯、独身を貫いたようです。

方向違いな努力

ある人がその息子に、学問をして法師になれと言った。

その子は親の教えに従って、法師になるために、まず馬に乗ることを習った。

なぜ馬か?

法事に呼ばれた時に馬の乗り方が下手だと笑われると思ったんです。

次に、謡を習った。

法事の後、宴会になった時、芸の一つもないと興ざめだろうと思ったからです。

この二つの芸がだんだんうまくなってくると、面白くなってきて、いよいよ熱心に練習した。

そんなことしている内に、肝心の説教を習う暇がなくなり、一生が終わってしまった。

こういうのは、現代でもあることです。

華麗な文章

人生の無常をうたった段も多いです。しかし暗い感じではなく、美しいイメージが漂うのは、作者の文章力の故でしょう。

あだし野の露きゆる時なく、鳥辺山の烟立ちさらでのみ住みはつるならひならば、いかにもののあはれもなからん。世はさだめなきこそいみじけれ。

命あるものを見るに、人ばかり久しきものはなし。かげろふの夕を待ち、夏の蝉の春秋を知らぬもあるぞかし。つくづくと一年を暮らすほどだにも、こよなうのどけしや。

あかず惜しと思はば、千年(ちとせ)を過(すぐ)すとも一夜(ひとよ)の夢の心地こそせめ。

あだし野の露が消える時なく、鳥辺山の煙がいつまでも上がり続けるように、人生が永遠に続くものならば、どうしてもののあはれなど、あるだろう。人生は限りがあるからこそ、よいのだ。

命あるものを見れば、人間ほど長生きするものは無い。かげろうが朝生まれて夕方には死に、夏の蝉が春や秋を知らない例もあるのだ。しみじみ一年を暮らす程度でも、たいそうのんびりした時を過ごせるものであることよ。

満足できない。もっともっとと思ったら、千年を過ぎても一夜の夢の心地がするだろう。


リズムのある、いい文章ですね。

こういうのは、原文でぜひ読んでみてほしいところです。もう一か所。

春暮れてのち夏になり、夏果てて秋の来るにはあらず。春はやがて夏の気を催し、夏より既に秋は通ひ、秋は即ち寒くなり、十月は小春の天気、草も青くなり梅もつぼみぬ。

木の葉の落つるも、先づ落ちて芽ぐむにはあらず。下よりきざしつはるに堪えずして落ちるなり。迎ふる気、下に設けたる故に、待ちつるついで甚だはやし。

生・老・病・死の移り来る事、又これに過ぎたり。四季なほ定まれるについであり。死期(しご)はついでを待たず。

死は前よりしも来らず、かねて後に迫れり。

春が暮れて後に夏になり、夏が終わって秋が来るのではない。春はすぐに夏の気配を催し、夏の間から既に秋は通い、秋は秋であるままに寒くなっていき、十月は小春日和となり、草も青くなり梅もつぼみをつける。

木の葉の落ちるのも、まず落ちて芽が出てくるのではない。内部から芽吹くのに押されて、古い葉が落ちるのである。変化を迎える気というものは、内部で準備しているのだから、変化を待ち受ける手順はたいへん速い。

生れること・老いること・病・死。これらが移り来る事は、又季節以上に速い。四季はそれでもやはり決まった順番があるが、死ぬ時期には順番がない。死は前からばかり来るものではない。いつの間にか、後ろに迫っている。

人は皆死ぬことを知っていて、待っていても、それほど切迫した状態ではない時に、自覚なしにやって来る。沖の干潟ははるか遠いといっても、足元の磯から潮が満ちているのと同じである。

…特に『徒然草』はこうした人生の無常をうたった章段に、名文が多い気がします。

インチキな骨董品

バカバカしい話もあります。

ある者が、小野道風の書いた和漢朗詠集として持っていたのを、ある人が、「先祖伝来の言い伝えが根拠のないことというわけでは無いでしょうが、四条大納言藤原公任卿が編纂された和漢朗詠集を、それより前の時代の小野道風が書いたということは、時代が違ってございましょう。あやしいことです」と言った所、「だからこそです。世にもめずらしい物なのでございます」といって、ますます大切にしまっておいた。

小野道風が死んだ歳に四条大納言藤原公任は生まれています。だから藤原公任が編纂した和漢朗詠集をそれより前の時代の小野道風が書いたというのはおかしいんです。それを指摘されると、「だからこそ珍しいものなんです」と大切にした、という話です。

ある僧が、人を引き連れて神社に参詣した。見ると、狛犬が背中あわせに、後ろ向きに立っている。それを見て僧は、たいそう感心して、

ああこれは、深いいわれがあるに違いない。どうですかみなさん。こういうところに興味を持たないといけません。ありがたいことですよ。

そこに神社の神官が通りかかったので、もし、この狛犬のゆえんを聞かせてもらえませんか。

ああこれは、けしからんことだ。イタズラ坊主がやったことでございます。そう言って、狛犬をもとの角度に戻した。

得意になって語っている僧と、単なるイタズラとわかってがっくりなった落差がさえる話です。

教科書でおなじみの文章

学生時代に習った、おなじみの文章に、年を経て再会するのも、うれしいことです。

仁和寺にある法師、年よるまで、石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとりかちより詣でけり。

極楽寺・高良(こうら)などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。さて、かたへの人にあひて、

「年比(としごろ)思ひつること、果し侍りぬ。

聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へのぼりしは、何事かありけん、

ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意(ほい)なれと思ひて、山までは見ず」

とぞ言ひける。

少しのことにも、先達(せんだち)はあらまほしき事なり。

仁和寺にいる僧が、年を取るまで石清水八幡宮に参詣したことがなかったので、残念に思って、ある時思い立って、ただ一人歩いて参詣した。極楽寺・高良明神などを拝んで、これで終わりと思い込んで帰ってきた。

さて、知り合いに会って、「長年思っていたことを、果たしました。聞きしにまさって、尊くあられましたよ。それにしても、参詣する人が皆、山に登っているのは、何事があるのでしょう。興味はございましたが、神へお参りするこそ目的と思って、山までは見ませんでした」と言ったという。

少しのことにも、その道に通じ導いてくれる人は欲しいものである。

いかがでしょう?

学校教科書の、あの独特のニオイが蘇ってきませんか?教室のニオイ、エンピツのニオイが漂ってきませんでしょうか?

読書の楽しみ

読書の楽しみをうたった段。

ひとり灯(ともしび)のもとに文(ふみ)をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる。

『徒然草』第十三段

読書とは、古人との対話です。人はどんなに孤独でも、まわりに味方がいなくても、読書によって、何千年も前の哲学者とも、歴史家とも、対話することができる。

だから読書家にとって孤独はさびしい悲しいものではなく、むしろわずらわしい世のゴタゴタから離れて、「ひとり」灯(ともしび)のもとに文(ふみ)をひろげる時に、心は遠く過去に飛び、書物との対話が始まる。

絆だ!仲間だ!ウェーイ。けたたましく喚き散らすテレビやSNSから、少し距離を取ってみるのいかがでしょうか?

キラリと光る警句

キラリと光る警句というか、ことわざみたいな段もあります。

あらためて益なき事は、あらためぬをよしとするなり。

余計なことしなくていいのに、やっちゃって、ポシャるという話です。

windowsXPで安定していたものを、金もうけのためにwindows8というものを出した。ところがこのwindows8が異常に使いづらい。意味不明のOSだった。エスパーでないと使いこなせないというメチャクチャな操作法だった。

あまりに不評が殺到して、次のwindows10は無料で出すはめになったわけです。あらためて益なき事は、あらためぬをよしとするなり。マイクロソフトにきかせてやりたい言葉です。

人生の悲哀

人生の悲哀を感じさせる段もあります。

しづかに思へば、よろづに過ぎにしかたの恋しさのみぞせんかたなき。

人しづまりて後、長き夜のすさびに、
なにとなき具足とりしたため、残しおかじと思ふ
反古(ほうご)など破(や)り捨つる中に、
なき人の手ならひ、絵かきすさびたる見出でたるこそ、
ただその折の心地すれ。

「静かに思えば、すべてにおいて過ぎ去った過去の恋しさこそ、
どうしようもなく心がいっぱいになる。

人が寝静まった後、長い夜の手すさびに、
何でもない道具を取り片づけ、残し置くまいと思う
書き散らした紙など破り捨てている中に、
亡き人の書いた文字や絵を描きすさんだのを発見した時は、
まったく、その人の生きている頃に戻ったような心地がすることよ」

亡くなった人の思い出にひたっている場面ですね。

今は写真とかビデオもありますが、昔は手紙、文字というのが一番の形見だったわけですね。しみじみ故人の思い出にひたっている様子が伝わってくるようです。

というわけで、

見どころの多い、味わい所の多い『徒然草』です。

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本日より再発売いたします。

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鴨長明『方丈記』cd-romも好評発売中

今なら『方丈記』現代語訳つき朗読cd-romとのセットが特別価格で、おとくです。

ゆく河の流れは絶ずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。

『徒然草』とならび日本三大随筆の一つに数えられるのが鴨長明『方丈記』。

作者の鴨長明は下賀茂神社の跡取りという恵まれた地位に生まれるも、親族間のゴタゴタもあって実家を追われ、洛北の大原へ、ついで京都郊外の日野へ隠棲して、小さな庵で一人暮らし。

その深い孤独の中から『方丈記』は生まれました。

今、日野山の奥に跡を隠して後、東に三尺余りの庇をさして、柴折りくぶるよすがとす。

もし余興あれば、しばしば松のひびきに秋風楽をたぐへ、水の音に流泉の曲をあやつる。芸はこれつたなけれども、人の耳をよろこばしめむとにはあらず。ひとり調べ、ひとり詠じて、みづから情(こころ)をやしなふばかりなり。

ひとり調べ、ひとり詠じて、みづから情(こころ)をやしなふばかりなり…しみじみと、味わい深い文章です。

『徒然草』の文章と、『方丈記』の文章。読み比べて味わってみるのも、面白いと思います。

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プロフィール


左大臣プロジェクト運営委員会代表。日本でただ一人、古典・歴史の「語り」とインターネットによる通信販売を組み合わせ、専業事業として行っている。メールマガジン「左大臣の古典・歴史の名場面」は読者数18000人。楽しく躍動感あふれる語りで好評をはくす。平成23年パナソニック映像(株)の社内セミナーで「おくのほそ道」の講演。東京都教育委員会の学習コンテンツシステムにて『平家物語』、『論語』、漢詩の朗読を担当。平成24年4月から9月までTAMA市民大学TCCで「はじめての『平家物語』」講演。以後、「百人一首の歌人たち」「松尾芭蕉とその時代」「語り継ぐ日本神話」「飛鳥・奈良の歴史を歩く」「鎌倉と源氏三代の栄光」講演。マリエッタ(株)スマートフォン用アプリ「華麗なる百人一首」で朗詠音声担当。三省堂(株)学校教科書の副読本付属CDで古典や漢詩の朗読担当。平成25年、広島県海の見える杜美術館にて菅原道真のナレーション担当。平成26年4月、舞台劇『東方麗人抄』脚本・朗詠担当。9月、滋賀県大津市「第10回木曽義仲・巴ら全国連携大津大会」で木曽義仲の講演。平成27年3月長野県玉泉寺で川中島合戦の講演

好きな言葉
「人の意見は聞くな」
「大衆は常に間違っている」

嫌いな言葉
「チームワーク」



よくある質問

●スマートフォンで聴けますか?
音声は聴けますが、現在のところ文章・図解表示機能はスマートフォンには未対応です。パソコンから転送する必要があるので、パソコンが必要です。パソコン無しでスマートフォンのみではお聴きになれません。またiPhoneで聴くには、iTunesで音声データをパソコンからiPhoneに転送する必要があります。iTunesはapple社が無料配布している音楽管理ソフトです。iTunesはアップルの公式サイトでダウンロードできます。

●CDプレイヤーで聴けますか?
聴けません。本製品は、パソコン用DVD-ROMです。音楽用CDプレイヤーでは再生できません。

●時間はどれくらいですか?
解説ふくむ音声が14.5時間。朗読のみの音声が4.6時間です。

●テキストはついていますか?
pdf形式のテキストファイルが付属しています。

●本はついていますか?
本はついていません。

●支払い方法は?
銀行振込、代金引換、クレジット決済、コンビニ決済をご用意しています。あるいはメルマガに直接返信してください。件名はそのままで、お名前とご住所を書いて直接返信してください。折り返し、お支払方法をお送りします。

●何日くらいで手元に届きますか?
3-4日から1週間程度でお届けします。1週間経ってもとどかない場合、途中何らかの郵送トラブルが発生した可能性がございますので、inform【アット】sirdaizine.comまでご連絡ください。

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本日も左大臣光永がお話しました。

ありがとうございます。ありがとうございました。

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