板橋宿跡(旧中山道)を歩く 一

こんにちは。左大臣光永です。日々寒さが増す昨今、いかがお過ごしでしょうか?

私は先日、多摩で「足利将軍家の興亡」ということで話してきました。今回は六代将軍足利義教について。15分ほど余ってしまいました。こういう時のために、穴埋めに仕える小話を普段からストックしておく必要があるなァと思いました。

さて先日発売しました「現代語訳つき朗読 『土佐日記』」CD-ROM。ご好評をいただいています。
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男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり。有名な書き出しで始まる土佐日記。土佐から京都に帰ってくる55日間の旅のことをつづった日記文学の名作。原文と現代語訳による朗読と解説を加えたCD-ROMです。特典の「暗記のコツと効用」は1月31日お申し込みまでの早期お申し込み特典です。お申し込みはお早めにどうぞ。

さて本日は板橋宿(いたばしじゅく)跡を歩きます。

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板橋宿は江戸四宿(ししゅく)…千住宿・板橋宿・内藤新宿・品川宿…これら江戸四宿のひとつで、日本橋からはじまる中山道最初の宿です。平尾宿(ひらおじゅく)・仲宿(なかじゅく)・上宿(かみじゅく)に分かれ、1.7キロメートルにわたり旅籠屋や町屋が軒をつらね、賑わっていました。

板橋の地名は、石神井川と中山道が交差する所にかかった「板橋」という橋に由来し、古くは『源平盛衰記』や『義経記』に登場します。

個人的には学生時代にバイトしたり知人の家があった所で、板橋という土地には深い思い入れがあります。何十回と通った道で、今更旅の情緒もないんですけども、今年中に東京を引き払う予定ですので、わが東京時代のまとめという意味でも、あらためて、板橋宿跡を歩いてみます。

近藤勇の墓

JR埼京線板橋駅下車。

駅のホームから見えるアパホテルとタワーマンションが、都会っぽさを醸し出してますね。駅前に円形の池のある公園があります。池を取り巻くベンチに、仕事途中の警備員が腰かけて弁当を食べていたり、ノンビリした雰囲気がただよっています。


正面が…駅からもう正面に見えているのが、近藤勇の墓です。


正面に近藤勇と土方歳三の墓。


左手に永倉新八の墓と、近藤勇の絵像。


右手に近藤勇の石像があります。


ちっちゃいですけど全身像で、若々しい顔をしてます。

慶応4年(1868)4月25日、元新選組局長・近藤勇は板橋で新政府軍に捕らえられ、中山道板橋宿平尾一里塚付近の刑場で斬首され、その首は京都に送られ三条河原にさらされ、胴体は刑場から少し離れたこの場所に埋葬されました。

この供養塔は明治9年(1876)に元新選組隊士で近藤の盟友であった永倉新八が建立したものです。永倉新八と近藤勇。最後は仲違いしてそれぞれの道を行きましたが、やはり永倉氏の中では、同志として激動の時代を生き抜いてきた近藤の汚名をはらい、供養してやりたいという気持ちがあったんでしょう。

この石碑には近藤勇の諱が「宣昌」になって、しかもノブの上の点が無いですが、近藤勇の諱は昌宣(まさのぶ)です。なぜこうなっているのかは不明ということです。

石碑の左右にはそれぞれ八段にわたり、井上源三郎はじめ新選組隊士110名の名が刻まれています。

私はこの隣の、双葉不動産商事のある5階建てのビルで学生時代、ずっとバイトしてました。窓から外見ると、そこが近藤勇の墓でしたので、当時から新選組に強く感心を持っていました。

こう石碑を見上げていますと、昔、あの隣のマンションのあの窓から、「二階から目薬だ」なんて言って、目薬をたらしてもらって、この下の位置から目で受け止められるか?なんて実験をした思い出が、よみがえりますね。

平尾一里塚 刑場跡

近藤勇が処刑された刑場跡は、…駅前の近藤勇の墓からちょっと歩いたT字路のあたりです。


ここは板橋宿の平尾一里塚があった所で、ここに刑場が作られました。石碑やら目印は何も無いですが。八百屋さんのあたりです。

国道17号線~旧中山道へ

国道17号線沿いに歩いていきます。


頭上には首都高がゆるやかなカーブを描きながらカッコよく走ってます。ビャンビャン車が走って、排気ガスがすごいですね。「中山道」の看板も排気ガスで黒くすすけています。

学生時代から20代にかけて…若いころは本当に歩いたです。歩きまくりですね。このへんも何十回…百回以上歩いたかもしれないです。金もなかったし、移動手段がぜんぶ徒歩なんですよ。しかし二本の足で歩くことによって、東京の空気を、東京の地理を足から、全身に染み込ませていった実感があります。地理を把握するには、一度は歩くのがいよいと思います。

平尾の追分(おいわけ)

グラッチェガーデンズというパスタ屋が見えてきて…りそな銀行があります。国道17号線と旧中山道がクロスするあたり。このあたりが、平尾の追分(おいわけ)です。


ここ平尾の追分から中山道と川越街道が分岐しました。何も目印は無いんですが、道路の真ん中に独特の三角地帯があり、それとわかります。

東光寺

平尾の追分から右にちょっと坂道下った所が、浄土宗東光寺です。


最近作られたと思われる真新しい山門です。コンニャクを左右からぐっと力入れて曲げたような形をしてますね。しかも本堂は工事中で、あまり情緒は無いですが、一歩境内に踏み入ると、地蔵さんが、おっ…なかなか、味わい深い表情をしてらっしゃるじゃないですか。


寛文2年(1662)の庚申塚。


ほうほう、こんなにハッキリと残ってるもんなんですね。崩れ落ちもせず、表情もクッキリと活き活きと読み取れます。今日はよく晴れていたので、表情の陰影もいっそうハッキリして、よかったです。

そして石造地蔵菩薩坐像。


ちょっと顔を上に傾けて、しっとりと物思いに更けっているような。そして傍らに梅のつぼみがもう芽吹いていて、これ咲いたら、さぞかし風流でしょうね。もとは道中の安全を祈って、平尾の追分に立っていたものです。また、板橋一里塚のあたりにあったという説もあります(さっきの、近藤勇が処刑された処刑場の位置です)

そして宇喜多秀家の墓碑。


お地蔵さんの横にあります。宇喜多秀家の墓碑。「秀家卿」と刻まれてます。

宇喜多秀家は関ヶ原の合戦で西軍の副将をつとめましたので、戦後、八丈島に流され、彼の地で没しました。明治になってその子孫が供養のためにこの地に墓碑を立てたものです。

観明寺(かんみょうじ)

東光寺を後に、商店街を少し歩くと、右手に観明寺(かんみょうじ)が見えてきます。室町時代創建の真言宗豊山派の寺院です。ご本尊は正観世音菩薩。


寛文元年(1661)造営の庚申塚、加賀藩の下屋敷から遷された赤門・稲荷社があります。

まずは庚申塚。入口の所に柵に囲まれて、ありますね。寛文元年(1661)造営。刻まれているのは青面金剛(しょうめんこんごう)像です。


赤門です。元加賀藩の屋敷の通用門を遷したものです。くぐります。


境内は…左右にマンションが迫り、まさに住宅街の真ん中と実感できます。左手に見える銭湯の煙突がいい感じ。


境内最奥にあるのが、出世不動尊の本堂です。木造の雰囲気のある建物です。


何度か私、学生時代にこの観明寺の境内で、ワアワア発声練習した覚えがあります。左右に住宅がこんな、迫っているのに、うるさかったろうなあ…迷惑おかけしましたと心で詫びました。

板橋宿平尾脇本陣跡

観明寺を後に、旧中山道の商店街を歩いていきます。途中、目を引くのが銭湯「花の湯」…時代を感じさせるたたずまいです。


ここから右に折れてちょっと入った所に、板橋宿平尾脇本陣跡の碑があります。


マンションの前にぽつねんと碑があって、説明坂が立ってます。板橋宿の平尾脇本陣の名主を務めていたのは豊田家で、代々の当主は市衛門を名乗っていました。

天正18年(1590)徳川家康の江戸入府に際して、三河より移住してきたと伝えられます。慶応4年(1868)千葉の流山で捕らえられた近藤勇が平尾一里塚付近で処刑されるまで、豊田家に幽閉されていました。

また江戸時代に見世物になったペルシア産のラクダが中山道から江戸に向かう途中、ここ板橋宿平尾脇本陣の豊田家の奥庭に逗留した記録があります。

いたばし観光センター

おっと、いたばし観光センターというのがありますね。


板橋について、有益な情報が得られるかもと、入りました。ボランティアの方が二人いらして、板橋宿の歴史について、さまざまに教えてくださいました。あまりに情報量が多く、頭の中で整理しきれないほどでした。ぶつぶつと知識をボイスレコーダーに喋って、整理しながら歩きます。

仲宿商店街

いたばし観光センターを後にしばらく歩くと、旧中山道が王子新道とクロスし、「仲宿」の文字がみえます。ここからは仲宿です。さらに商店街が続きます。


次回、偏照寺から縁切榎まで歩きます。お楽しみに。

発売中です。

「現代語訳つき朗読 『土佐日記』」CD-ROM。
http://sirdaizine.com/CD/TosanikkiInfo.html

男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり。有名な書き出しで始まる土佐日記。土佐から京都に帰ってくる55日間の旅のことをつづった日記文学の名作。

けして長くない、適度な分量。そして文章が簡潔でわかりやすいですので、古文に親しむ、その入り口として最適です。

原文と現代語訳による朗読と解説を加えたCD-ROMです。

特典の「暗記のコツと効用」は1月31日お申し込みまでの早期お申し込み特典です。お申し込みはお早めにどうぞ。
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本日も左大臣光永がお話しました。
ありがとうございます。ありがとうございました。