哲学の道を歩く(ニ)

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こんにちは。左大臣光永です。

京都国立博物館で「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」をみてきました。「踊り念仏」で有名な一遍上人のことを描いた絵巻を中心とした企画展です。今日が最終日でした。

踊り念仏をしている人も、見ている人も、説法をきいている人も、生き生きと描いてあって、よかったです……

本日は、京都・哲学の道(ニ)です。

哲学の道は北は銀閣寺橋から南は若王子(にゃくおうじ)前の若王子橋まで、琵琶湖疏水の分線に沿って約1.5キロにわたって走る小道です。京都大学の哲学者西田幾多郎(にしだ きたろう)先生が思索にふけりながら、また学生たちと語らいながら歩いたことから哲学の道と呼ばれます。

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霊鑑寺(れいかんじ)

前回「哲学の道を歩く(一)」からのつづきです。

安楽寺を後に、住宅街を進んでいくと、左手に見えるのが霊鑑寺です。

臨済宗南禅寺派の門跡尼寺(もんぜきあまでら)で、はじめは南の鹿谷の渓流沿いにあったので「谷御所」「鹿谷比丘尼御所」と呼ばれました。

承応3年(1654年)後水尾上皇が皇女・浄法真院宮宗澄(じょうほうしんいんのみや・しゅうちょう)を開基として創設。以後、代々の皇女殿下が住持をつとめました。

貞享4年(1687年)後西(ごさい)天皇の御殿を賜って現在地に移築されました。

後水尾上皇が椿を愛好されたことから「椿の寺」と呼ばれ境内には後水尾上皇がご愛好された散椿はじめ、多くの種類の椿があります。シーズンには一般公開されてています。

霊鑑寺前の坂を下り、

ふたたび哲学の道に入ります。したたるような木々の緑に、息をのみます!

ここまで来ると人も少なく、いっそう落ち着いた雰囲気になります。

大豊神社

左手に大豊神社の参道が見えて来ました。

参道を少し登ると、大豊(おおとよ)神社です。狛犬ならぬコマネズミがあることで近年人気が高まっています。

仁和3年(887年)宇多天皇の病気平癒のために尚侍(ないしのかみ)藤原淑子(ふじわらのしゅくし)が勅願を奉じて少彦名命(すくなびこなのみこと)を東山三十六峰の一つ、椿ケ峰(つばきがみね)に祀って創建しました。後には応神天皇と菅原道真公が合祀されます。

建武の内乱・応仁の乱で焼失するも、本殿・拝殿・摂社・絵馬堂が再建され、法然院・南禅寺一帯の産土神として信仰を集めています。

椿の神社として有名ですが、梅雨の時期はアジサイも見事です。背後の椿ケ峰から流れている清水がちろちろと音を立て、ゆったり落ち着いた雰囲気があります。

本殿の左右にはいくつかの摂社があるのですが、右手が大国社へ続く鳥居であり、この奥に、問題のネズミくんがいます。

オオクニヌシノミコトがスサノオノミコトからの試練として野で火を放たれた時、ネズミがオオクニヌシノミコトを穴の中に招き、火をやりすごして助かったという『古事記』の話に基づき、昭和44年(1969年)に作られたものです。

左のネズミは牝で、抱えているのは玉?もしくはお神酒?子宝をはぐくんでいるなどの説があります。無病息災のご利益があるとされます。

右のネズミは雄で、抱えているのは書物で、学問成就にご利益があるとされます。

どちらも、なかなかの可愛さで、なでくりまわしたくなります。

さて、いくつかの寺や神社に寄り道しながら哲学の道を歩いてきましたが、いよいよ終着点・若王子橋(にゃくおうじばし)。

橋をわたったすぐの所にあるのが、熊野若王子(くまの にゃくおうじ)神社です。

永暦元年(1160年)後白河法皇が紀州熊野権現を勧請して建立した若王子山の鎮守社で、熊野神社・新熊野(いまぐまの)神社と並び京都三熊野の一つに数えられます。

「若王子」という社名はアマテラスオオミカミの別名である「若一王子」にちなみます。

以後、室町幕府および武家の信仰を集めました。また花見の名所としても知られ寛政6年(1465年)3月、足利義政により花見の宴が行われました。その後応仁の乱により荒廃しますが、豊臣秀吉により社殿と境内が再建されました。

ご神木の椰は、その昔熊野詣や伊勢詣の際、ミソギの木として用いられました。「あらゆる苦難をなぎ倒す」ということらしいです。

サッカー日本代表の、ヤタガラスが椰木の葉をくわえているマークは、ここ熊野若王子神社の椰を図案化したものです。

社殿は若王子山を背に行儀よく鎮座している感があります。雨の日に屋根が濡れて白く光っているのも、味わいがあります。

新島襄の墓へ

裏手の若王子山(にゃくおうじやま)の上には、同志社大学の創立者・新島襄(にいじま じょう)先生とその妻八重の墓があります。ものすごい山奥で、登ると確実に大冒険になります。しかも今はヤブ蚊が多いので、秋になってから登ります。

本日も左大臣光永がお話しました。ありがとうございます。

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