「退職して自由な時間が多くなったので、日本の古典を学ぼう」

そのように考えて古典の勉強を始める方が多いです。

仕事からも子育てからも解放され、いざ自由になって、やりたいことは何かと考えた時、「もう一度勉強したい」という気持ちが出てくようです。

特に、学生時代は苦痛でしかなかった古典や歴史の面白さが年齢を重ねるにつれて見えてきて、定年後に学んでみたいという方がとても多いです。

私・左大臣光永は、2012年から6年間、東京TAMA市民大学というところで日本の古典・歴史について講義してきました。ご来場者の平均年齢は70歳。主婦と定年退職後の男性が多かったです。

熱心にメモを取って、その勉強熱心なことに驚かれされました。

毎月、講義をしながら、「今回は準備不足だったなあ」「もうちょっと勉強しとくんだった」と、反省することが、多かったです。

それも、来場者の方が非常に熱心で真剣なので、それにこたえるべく、こちらも気合入れてかからないとなと、思うわけです。

「古典について学びたい」

そう思った時、ふつうはまず、何をするでしょうか?

本を読みますよね。

しかし、古典の解説書はよくよく選んだほうがいいです。

学者は、基本的に文書がヘタです。

学者にとっては文章とは「正確で、厳密であること」が、何より大事です。

だから人にわかりやすく説明しようとか、知らない人にも興味を持たせるという工夫は、無いです。学者は基本的に人に読ませる文書が、書けません。書こうともしてません。

だから、最初から学者の書いた読みにくい解説書を手に取ると、学校の授業と同じで、挫折します。

ではどんな解説書がいいのか?

初心者向けに、かみ砕いて解説されたものがいいです。たとえば角川書店の「ビギナーズクラシックス」シリーズ。

これなどは、小学校高学年くらいであれば十分に読める言葉で書いてあります。それでいて内容はとても正確です。

現代語訳、原文、語句解釈はもちろん、必要に応じて地図やイラストが加えられています。これだけ内容がつまって600円程度。びっくりです。古典作品の入り口として、素晴らしい出来です。脱帽です。

そして漫画です。

昔の学習漫画は絵も下手で、内容もいい加減なものが多かったですが、最近はきちんとした考証に基づき、最新の説を取り入れて、しかも絵がひと昔前と比べて圧倒的にうまいので、安心して読めます。

だから、古典の勉強をしたいと思ったら、まずは「ビギナーズクラシックス」シリーズか、漫画を読むことをおすすめします。

とはいえ…

本を読むこと自体が大変だ、という方もいらっしゃるでしょう。

年々目が疲れてくる。肩が凝る。若い頃は読書好きだったけど、最近、長い時間読めない。

私の母も大の読書好きですが、最近は目と肩が疲れるので、ベッドからアームを伸ばして本を固定するスタンドを買って贈りました。

これはとても気に入ってくれて、以前のように本が読めるようになったと喜んでおりました。しかし、あまりに読みすぎるので今度は視力の低下が心配です。

古典講座などを受講する。

これもいいと思います。

どこの自治体でも古典や歴史の講座は人気が高く、さまざまな内容の講義が行われています。また大学の主催する生涯学習講座もあります。自治体主体のものは価格も安いですので、一度参加してみるといいですよ。

私が講師をしていたTAMA市民大学の講義は会員500円、非会員700円でした。ランチ一食ぶんです(笑)

本と違うのは、実際に教室に足を運び、会場の人といっしょに講義を受けるので、仲間ができる。社交場としても楽しめる、という点です。講義を聞いた後、近くでお茶したり、買い物したり…むしろ、そっちを楽しみに来られている方も多いようです。

とはいえ…

実際に会場に足を運ぶというのは大変です。交通費もかかる。それに首都圏以外ではそれほど豊富な種類があるわけではありません。また、一人で黙々と勉強したいという方もあるでしょう。

そこで、音声です。

私、左大臣光永は2009年から、無料の音声つきメールマガジン「左大臣の古典・歴史の名場面」を配信してきました。2017年4月現在、24000人の方にご登録いただいています。

また、日本の古典や歴史についての講義をDVD-ROMにまとめ、販売してきました。

音声による学習のいい所は、とにかく手軽であること。

電車や車の移動中・作業の合間などの「ながら聴き」にぴったりです。

本のように目も疲れませんし、会場まで足を運ぶ面倒もありません。

あなたは再生ボタンを押し、聴くだけです。

それで、古典の世界があなたの脳に注ぎ込まれます。

もっとも学習効果の高い勉強法とは?

もっとも学習効果の高い勉強法は、何だと思いますか?

それは短い内容を、繰り返し、繰り返し、しつこく、しつこく学習することです。

だから私の話は短く区切ってます。いつもメルマガで配信しているのは10分程度小話です。2時間の講演でも、基本的に同じです。

トータルの時間は長くても、その中に10分程度の短い話をいくつもぶち込んでいる感じです。

あまりにも壮大な…たとえば90分かかる話を一回だけ聴くよりも、わずか10分の内容でも繰り返し、繰り返し聴いたほうが頭に刻まれます。

そのためには、たとえば1回の講義が90分とかでは、長すぎるんです。

5-6分。どんなに長くても15分くらいで終わるミニ講義。それならば、細切れ時間でも聴けます。必要なところは繰り返し聴けますよね。

このように、「繰り返しによる学習効果の高さ」ということを考えて、当方は一回の講義を10分程度に区切り、音声ファイルも分けて、簡潔に語っています。

このようにお便りをいただいています。

サンプルを聞き、これだと思いました

左大臣光永 様

伊勢物語CD-ROMをさっそくお送りいただき、ありがとうございます。私、退職して自由な時間が多くなったので、日本の古典を学ぼうと思い、手始めに伊勢物語の本を購入しましたが、本文にしろ和歌にしろ、音読のしかたすら分からず、困っていたところ、先生のサイトでサンプルを聞き、これだと思いました。

さっそく一段目を拝聴しました。

朗読はすばらしく、解説は面白く、この調子で全段が学べると思うとうれしくてたまりません。

まずは御礼まで申し上げます。

先生のいっそうのご活躍とサイトの発展をお祈り申し上げます。

通勤時、仕事の休憩時に聞いてます。

光 永隆さま

「伊勢物語」の「筒井筒」はじめ有名所の各段拝聴させていただきました。

やっぱり左大臣の朗読は理解が各段に進みます。私も左大臣風に朗読を試みました。ちょっと恥ずかしかったですが気持ちよかったです。プラス初心者むけの気の利いた解説が最高です。ありがとうございました。
早速「伊勢物語」のDVD-ROM も発注させていただきました。百人一首が一段落するまでは通勤時、仕事の休憩時に聞かせていただきます。

論語やら歴史ものも徐々に揃えたいと思っています。

M.F.さま


本日ご案内するのは、

『伊勢物語』の全125段を解説した音声つきDVD-ROMです。

「『伊勢物語』…う~ん学生の時に習ったけど…」

芥川、狩の使い…いくつか断片的には知ってるが、詳しくは知らない、という方がとんどだと思います。

『伊勢物語』のいい所は、一話一話が短く、簡潔であること。

どこから読んでも、読み飛ばしてもいいので、疲れません。

だから古典に親しむ入り口として最適です。

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いきなり『源氏物語』や『平家物語』といった大作に取り組むと、挫折します。

その点、『伊勢物語』は文庫本で数十ページ程度。ごく短い作品です。

それでいて深い内容があり、圧倒的に面白いのです。

何が、面白いのか?

なんといっても、歌がいいんです。

「この気持ち、わかるなあ」と共感できる歌が、必ず見つかるはずです。

それは扱っている内容が、男女の恋愛のみならず、男同士の友情や、親子の情愛、年を取っていくこと。愛する人の死。旅の情緒など…

現代人と何ら変わらない【喜怒哀楽】の世界ですので。ちょっと読めば「この気持ちわかるなあ」「この歌は好きだな」というのが、見つかるはずです。

私が好きなのは…、例えばこの話です。↓↓↓

昔、そう若いわけでもない、けっこう歳な連中が、あの人この人、友達同士で集まって、月を見て、その中に一人が、

おほかたは月をもめでじこれぞこの
つもれば人の老いとなるもの

もうたいがいのことでは、月を愛でないようにしよう。月が重なれば年となり、年が重なれば老いとなるのだから。

ここなんかは、私、講演会でお話した時大いに受けました。「身につまされます」なんて声が会場から漏れてました。

同窓会なんかでね、集まったかつての若者たちが、どっか居酒屋かなんかで飲んで、フラッと外に出る。まん丸い月。いいなあ。キレイだなあ。ワイワイ言ってる。その中に一人が、いやいやお前たち、

おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老いとなるもの…現代でも、通じる風情じゃないですか。年を取っていくこと。人生の悲哀。愛する人の死…さまざな人生の局面を、『伊勢物語』は「歌」という形で切り取ります。

またはこんな話です。

昔、男がいた。

ある娘がその男に想いを寄せていたが、想いがつのるあまり、死んでしまった。
男は娘の両親からそれを知らされると、

「ええっ…俺のことを想って。そんな、だったらどうして
一度相談してくれなかったんだ…」

しかし悔やんでも娘は生き返らない。

時は六月の末。たいそう暑い時分。娘の家では、亡くなった娘を慰めるために管弦の音楽を奏で、夜がふけてくると、やや涼しい風が吹いてきた。蛍が高く飛び上がる。

男は縁側に横になっていたが、ああ…蛍だ。そこで、

ゆくほたる雲の上までいぬべくは
秋風吹くと雁につげこせ

飛び行く蛍よ、もし雲の上まで飛んでいけるなら、地上ではもう秋風が吹いているよと雲の上の雁に告げてくれ。

六月の末はその年の前半に亡くなった魂が、あの世に旅立っていく時期。男は飛び行く蛍に死んだ娘の魂を重ねて、呼びかけているんです。

このように、一つの話につき必ず一首以上の歌が入っているのも、ポイントです。日本の古典には必ずといっていいほど歌が出てきますので、後々、さまざなな作品に手をのばす入り口ともなるはずです。

本製品は、

本製品は、『伊勢物語』全125段すべての現代語訳と原文による朗読音声と、解説音声。そしてテキストPDFを含む、DVD-ROMです。

●音声について
音声は、各段ごとに「現代語訳→解説→原文→(場合によって)補足説明」という流れです。

最初に現代語訳の朗読を聞くことで大まかな内容が理解でき、その記憶も新しいうちに原文を読むので、無理なく内容が理解できます。

『伊勢物語』の歌にはかなり難解なものも多いですが、「先に現代語訳を聴いて大まかな内容を頭に入れる」ことで、理解がしやすくなっています。

「解説音声」は、いつもメルマガで話しているような感じで、楽しく、わかりやすくをモットーに、現代語訳だけではよくわからない部分(たとえば歴史的背景など)も補いながら、解説していきます。

別に、「原文のみの朗読」もご用意しました。

最初に解説つきの音声を聴いて、内容が頭に入ったら「原文のみの朗読」を聴くというふうに、使ってみてください。難解な歌も、意外なほど理解できるはずです。

●テキストPDFについて
テキストPDFの内容は、各章ごとに「現代語訳」-「原文」-「語句解釈」-「解説」という構成です。特に「語句解釈」は、朗読で語るには不向きな、細かい知識事項や、注意点を記しました。朗読とあわせて読むことで、よりいっそう『伊勢物語』の理解が深まり、その奥深い世界に、ますます魅了されることと思います。