【近日発売】少しのことにも、先達はあらまほしき事なり【徒然草 windowsアプリ版】

こんにちは。左大臣光永です。北野天満宮に参拝してきました。

境内の絵馬堂に、これまで見たことのない絵が何枚も掲げてありました。平成になって奉納された龍の絵や、和服の男女が天満宮の梅苑?らしき所を行き交っている、ちりめん細工の絵など、なかなかみごたえがありました。

拝殿手前の回廊には、子供たちから奉納された絵を掲げてありました。子供の絵はのびのびして、よいですね。

北野天満宮は伝統の上にあぐらをかかず、色々と新しいことをやろうとしているのが、りっぱだと思います。

↓↓↓音声が再生されます↓↓

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近日発売『徒然草』

さて近日、Windows用のアプリ『徒然草』を発売しますので、本日はそのお知らせをかねて、『徒然草』にまつわる個人的な話も、いろいろと、語っていきます。

これまで『徒然草』はCD-ROM版、オンライン版という形で発売しており、たくさんお買い上げいただいてまいりました。ありがとうこざいます!

以前のバージョンをお買い上げいただいた方には、今回のアプリ版も無料でダウンロードしていただけます。

今回、何が変わったかというと、まず、原文と現代語訳の音声を全て録り直しました。音質がとてもよくなりました。クッキリした声で、たいへん聞きやすくなっております。防音室の壁一面に吸音材をしきつめ、編集段階でも(コンプレッサーをかけて)しっかり音の大きさを整えたので、聞きやすく、かつ長時間聞いても疲れない音質になっております。

仁和寺の法師

『徒然草』というと、多くの方がまっさきに思い浮かべるのは、「仁和寺の法師」の話かと思います。


石清水八幡宮 拝殿

仁和寺の法師が石清水八幡宮に行って、ふもとの摂社だけ見て、これだけだ思って帰ってきた。何事にも案内してくれる先人は必要だなあという話です。

仁和寺にある法師、年よるまで、石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとりかちより詣でけり。極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。さて、かたへの人にあひて、「年比思ひつること、果し侍りぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へのぼりしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」とぞ言ひける。

少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。

作曲の思い込み

「少しのことにも先達はあらまほしきことなり」…ちょっとしたことでも教え導いてくれる人はあってほしいものだと。ずばり、物の真理をついていますよね。私も最近、このことを強く実感することがありまして…

最近わたしは、作曲の練習をしてるんですよ。

おもえば若い頃から、何度も作曲にチャレンジして、そのたびに挫折してきました。なぜ挫折したかというと、結局は、コードでつまづいたんです。

私はなぜか、「すべての調のすべてのコードを完璧に暗記しなくては曲は作れない」と、思い込んでいたのです。

だからはじめは意気込んでおぼえようとするけど、ムリだ!と投げ出してしまったのです。

しかし、プロの音楽家でも全て調のすべてのコードを暗記してる人なんかいないです。膨大な量になりますからね!おおまかな法則さえ覚えておけばいいんです。

しかも今の時代は、デジタルで作曲するなら、いちばん簡単なCメジャー・スケールで曲を作って、後からキーを上下させれば、メロディーも、コードも、キーにあわせて自動的に調整してくれます。だからぜんぶ暗記する必要なんか、ないのですよ。

どうして若い頃は、「すべての調のすべてのコードを暗記しなくてはならない」と固く思い込んでいたのか…。あの思い込みさえなければ、14歳くらいから曲を作り続けて、ずいぶん上手くなってたかもしれないのに。悔やまれます。まさに「少しのことにも先達はあらまほしきことなり」です。

プラモデルの思い込み

思い返してみると、私はこういう変な思い込みから、物事に挫折したことが多くありました。

たとえばプラモデルです。

私はプラモデル作りに何度も挫折して、いやになって、結局作らなくなりました。

一番の理由は「合わせ目を消せなかった」ということです。

パーツとパーツの合わせ目のことです。たとえばガンダムの太ももとか、零戦のボディとか、合わせ目が出るべきでないところに合わせ目が出るのは、見苦しいのです。

だから合わせ目をきれいに消すことが、プラモデルの完成度を上げるための、第一歩となります。私はここで、つまづきました。どうしても合わせ目が消せない。自分にはムリだ。技術がないんだと。

ところが大学時代に先輩にその話をしたら、「いやそれ、接着剤で消せるよ」。えっ、接着剤…目から鱗でした。それまで私は、パテで隙間を消そうとしたのです。

こうパーツを合わせた上にパテを盛って、やすりで削ってたんです。しかしパテの粒子は粗いからパーツの隙間に入り込まないんです。上に盛り付けられているだけだから、それをやすりで削ってもまた元の合わせ目が出てくるだけです。

そうではなく、こうパーツとパーツの間に接着剤を流し込むと。

すると接着剤の粒子はとても細かいから、隙間に流れ込んで、間を埋めてくれると。

それで接着剤があふれた出した所だけをヤスリで削る。そうすると、きれいに隙間が消えるじゃないですか!これだったのか!なんだ、ちゃんと隙間消せるじゃないか!これは技術とか修練の問題ではない。単に知ってるか知らないかだけだ、

はやくこの事に気づいていればと、悔やまれました。少しのことにも先達はあらまほしきことなり。今は直接人に教えてもらわないでも、ネットで検索できますので、簡単に「先達」の意見を取り入れることができます。便利な時代になったものです。

というわけで徒然草Windowsアプリ版近日発売します。以前CD-ROM版・オンライン版をお買い上げの方には無料でダウンロードしていただけます。詳しくは順次発表していきます。本日も左大臣光永がお話ししました。ありがとうございます。ありがとうございました。