駿府城公園に徳川家康公をしのぶ

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駿府城公園は、1585年徳川家康公によって築かれた
駿府城の跡に広がる緑豊かな公園で、
静岡駅の北側に位置します。

徳川家康公は駿府城に江戸にうつる前の五年間と、
息子の秀忠に将軍職をゆずって「大御所」となってからの
十年間を、駿府城にすごしました。

駿府城公園の庭内は犬の散歩をする人、
ベンチに腰掛けてぼんやりする人…
自転車を走らせる子供たち…

駿府城公園

静岡市民の憩いの場に
なっている感じでした。

駿府城公園
駿府城公園

徳川家康像
駿府城公園 地図

家康公の像

公園中央の本丸跡に、家康公の像が立っています。
さっそうたるものです。
左腕には鷹狩の鷹をとまらせ、きりりと前を見据える姿が、
りりしいです。

家康公手植えのミカン
家康公の像

横には「家康公手植えのミカン」があり、
往事をしのばせます。

東御門
家康公手植えのミカン

東御門・巽櫓(たつみやぐら)と坤櫓(ひつじさるやぐら)が復元されており、

未申櫓
巽櫓

駿府城の模型
坤櫓

中はそれぞれ展示室になっています。
駿府城の模型、

駿府城の模型

駿府城 鯱

「駿府御茶壺道中」の籠のレプリカ、

竹千代 手習いの間 レプリカ

当時使われていた食器類などがありますが、
特に注目なのが、

家康が竹千代と呼ばれていた少年時代、
8歳から12年間を今川家の人質として捕えられ、
今川家の軍師・太原雪斎のもとで学問を習っていたと伝えられますが、

その「竹千代 手習いの間」が完全復元されていました。

竹千代 手習いの間 レプリカ
竹千代 手習いの間 レプリカ

竹千代 手習いの間 レプリカ
竹千代 手習いの間 レプリカ

実はこの直前に臨済寺(りんざいじ)に行って、
無理を言って「手習いの間」の実物を見せて
もらっていたのですが、このレプリカは
本物と寸分違わない出来で、写真を並べられても
気付かないと思います。

竹千代 手習いの間 レプリカ
竹千代 手習いの間 レプリカ

紅葉山庭園

共通券で、紅葉山庭園にも入ることができます。

駿府城公園の一角に作られた回遊式庭園で、
邸内は四つの庭に分かれ、
駿河の名所を再現したものになっています。

紅葉山庭園 入口
紅葉山庭園 入口

入口で音声ガイドを貸し出してくれるので、
聴きながら歩きました。とても便利でした。

私は庭園というものにはそれほど興味がなかったんですが、
この音声ガイドを聴いて、ははあ庭園とはこう楽しむのかと、
楽しみ方の方向が、見えた気がします。
庭園というものに、目が開かれた感じです。

庭園中央の大きな池の中に岩が浮かび、
伊豆の名所・城ケ崎・石廊崎(いろうざき)・堂ヶ島を
あらわします。

紅葉山庭園 中央の池
紅葉山庭園 中央の池

池のふちには白砂をしきつめた州浜となっており、
天女が舞い降りた三保の松原をあらわし、
池に流れ込む川は安倍川をあらわし、

紅葉山庭園 州浜
紅葉山庭園 州浜

池の向うにそびえるのが富士山です。
富士山を芝生の築山で、
裾野の茶畑を刈り込んだサツキでイメージさせています。

紅葉山庭園 築山
紅葉山庭園 築山

裏山に登っていくと緑がうっそうとして
涼しい風がただよい、二つの滝が流れ落ちています。

紅葉山庭園 滝
紅葉山庭園 滝

二つの滝の高さをわざと違えて作ってあるので、
流れに変化がうまれ、味わいが増す、という仕組みです。

花菖蒲の上には八橋がかかり、
『伊勢物語』の東下りの章段を思い起こさせます。

紅葉山庭園 花菖蒲と八つ橋
紅葉山庭園 花菖蒲と八つ橋

庭園内にはお菓子と抹茶をいただける場所があり、
音声ガイドを聴きながらいただきました。

紅葉山庭園 お菓子と抹茶
紅葉山庭園 お菓子と抹茶

首からぶらさげて、イヤフォンで聴くやつですが、
とても便利でビックリしました。

たとえば「1」とか看板に数字が書いてあり、
「1」を押すとその場所の話が聴こえてくるわけです。

わが左大臣プロジェクトも、こういうのを
売り出さんといかんなあと思いました。

今の話も、だいたい音声ガイドの内容から
まとめ直したものです。

さて、城や古墳の楽しみ方としておすすめなのが、
「歩いて一周すること」です。

駿府城公園を一周する。
皇居を一周する。
大仙陵古墳を一周する。
比叡山を一周する。

歩いて一周することで、
あらためてその大きさ、存在感が
実感できます。そして

歩きながら、その場所や、人物について、
思いをはせるわけです。
すると、何かすーーと降りてくるような
気が。

今回も徳川家康公のことを思いながら、
駿府城公園のまわりを歩いて一周しました。

駿府城公園のまわり
駿府城公園のまわり

駿府城公園のまわり
駿府城公園のまわり

駿府城公園のまわり
駿府城公園のまわり

東照宮遺訓

人の一生は重荷を負て遠き道をゆくが如し
いそぐべからず
不自由を常とおもへば不足なし
こころに望おこらば困窮したる時を思ひ出すべし
堪忍は無事長久の基
いかりは敵とおもへ
勝事ばかり知てまくる事をしらざれば
害其身にいたる
おのれを責て人をせむるな
及ばざるは過ぎたるよりまされり

有名な家康公の遺訓を、ぶつぶつ唱えながら
歩いていると、

すーーーと家康公の魂がおりてきて、
そうじゃ。人生は、なかなかラクにはいかんぞ
などと家康公の魂が語りかけてくれるような、
そんな想像もふくらむのです。

駿府城公園

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