高天神城阯を歩く
京都妙心寺の塔頭・麟祥院(りんしょういん)は春日局の菩提を弔って三代家光が建立した寺です。現在、8年ぶりに公開しているので、見てきました。境内奥にあるみたまやは、小さなお堂です。小堀遠州作の春日局の木造が安置され、天井からは江戸時代初期のギヤマンの瑠璃天蓋が飾り物として下がってました。
春日局の墓は東京湯島の麟祥院にあるんですが、京都の麟祥院には御霊を祀ってるのです。今度は何年後に見れるかわからないので、しっかり記憶に刻みつけてきました。
本日は、静岡の高天神城阯を歩きます。戦国時代に徳川・武田の間で激戦が行われた城です。
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JR掛川駅、南口タクシー乗り場よりタクシーで約20分。もしくは東名高速道路・掛川ICより約15分。
見えてきました。高天神城阯の登り口です。
高天神城は戦国時代に、武田・徳川の間で激戦が行われた城です。
室町時代末期、駿河の今川氏が遠江侵攻のために築城したといわれます。
永禄3年(1560)桶狭間の合戦で今川義元が討たれると、城主小笠原与八郎長忠は徳川につき、高天神城は徳川の城となります。
元亀2年(1571)武田信玄が高天神城攻略を試みるも撤退。天正2年(1574)武田勝頼が襲来すると、城主小笠原与八郎長忠は一ヶ月にわたる籠城戦の後、開城。武田方に下りました。、
以後、高天神城は遠州における武田の拠点となりました。武田方城代として岡部真幸(おかべ さねゆき)(または岡部元信)が入ります。
しかし天正3年(1575)長篠の合戦に負けた武田氏は徳川方に追い詰められていきます。天正9年(1581)徳川家康が高天神城を奪還。城主岡部真幸以下、討ち死に。その後すぐに高天神城は廃城となりました。
今川→徳川→武田→徳川
と城主が移り変わったわけです。
追手門
南口の駐車場から、山道をのぼっていきます。
このあたりの山道が、追手門(おうてもん)…城の正面玄関にあたる門の阯です。
三の丸
少し登ると三の丸です。
あづま屋があり休憩できます。
よく晴れた日で富士山がきれいでした。
本丸
さらに登ると
本丸阯です。
本丸阯は南の御前曲輪(ごぜんくるわ)阯と北の的場曲輪(まとばくるわ)阯に分かれています。
御前曲輪には模擬天守の阯と
元天神社という神社があります。
富士山がクッキリ見えました。
模擬天守は昭和9年に建てられましたが、昭和20年の落雷によって焼失しました。
そして本丸の北側・的場曲輪はその名から弓矢などの練習をした場所と思われます。
大河内政局石窟
本丸の脇にあるのが大河内政局(おおこうち まさちか)石窟です。
天正2年(1574)6月、武田勝頼の軍勢が来襲し、城主小笠原長忠は28日間にわたり籠城するも、力およばず降伏。
しかし軍監の大河内源三郎政局は武田方に従わなかったので、この岩屋に幽閉されたと伝わります。武田方城番・横田甚五郎尹松(ただまつ)は大河内源三郎政局の義に深く感じ入り、手厚くもてなしました。
天正9年(1581)3月、徳川家康が高天神城を奪還すると、石牢の中にとらわれていた大河内源三郎政局は、8年ぶりに救出されました。
8年にわたる石牢生活で足腰は弱っていました。家康は政局の労苦をねぎらい、恩賞を与え、津島の温泉で療養させました。その後、天正12年(1584)長久手の合戦で、大河内源三郎政局は討ち死にしたと伝えられます。
高天神社
西の丸阯につきました。石段の上に高天神社が鎮座します。
高皇産霊命(たかみむすひのみこと)、天菩比命(あめのほひのみこと)、菅原道真公を祀ります。
二の丸阯
高天神社の北が二の丸阯です。
本間丸尾兄弟戦死の阯があります。
天正2年(1574)6月、武田勝頼の軍勢が高天神城に襲来しました。その際、本間丸尾兄弟は二の丸・堂の尾曲輪(どうのおぐるわ)をまもっていましたが、武田方の銃弾を受けて戦死しました。
また二の丸には、武田時代の築城の名残である
煌堀(からぼり)阯、
堀切(ほりきり)阯が観察できます。
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66番前大僧正行尊~
次の旅「甲府に武田信玄の史跡を訪ねる(一)」