ちはやぶる神代も聞かず竜田川

こんにちは。左大臣光永です。
ようやく春めいてきましたね。桜もちらちら
咲き始める頃。お花見の計画も楽しみな、この時期、
いかがお過ごしでしょうか?

世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし

あちらの桜、こちらの桜と、春は忙しいです。

いっそ世の中に桜なんて無くなってしまえば、
どんなにか春はのんびりするのに。

本当に桜が無くなってほしく思っているのではなく、
「やれやれ、まいったぜ」と、桜の季節を喜んでいる感じです。
春には思い出したい在原業平の代表作です。というわけで、

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竜田川を目指して

ちはやぶる神代も聞かず竜田川
からくれなゐに水くくるとは。

竜田川
竜田川

(不思議が多かった昔にも聞いたことがありません。
竜田川を、くくり染めにしたように、真っ赤な紅葉が、
こんなにも茂っているなんて)

くくり染めとは、布の所々を紐でしばっておいてから染め、
後で紐をほどくとジワッと複雑な模様ができるものです。
紅葉がうつりこむ竜田川の水面が、
まさにその、くくり染のようだという歌です。

この歌は『古今和歌集』に採られ、百人一首にも
採られ、『伊勢物語』にも登場する在原業平の代表作です。

私は先日、取材と、ロマンを兼ねて
竜田川まで行って来ました。

JR関西本線王寺駅で降りて、大通りを貫いて歩いていきます。
王寺駅大通りは、なぜか道路沿いに動物の置物が
ずーーっと一定間隔で置いてあります。タヌキとか、亀とか…

しばらく歩くと大きな川が見えてきたので、
おおっ、これが竜田川かと思いましたが、
それは大和川でした。

竜田川が、やがて大和川に流れ込み、
ついには大阪湾に注ぎます。

「この道をまっすぐ行けば、
竜田川との合流点に
行きつく」

そう考えて、
大和川沿いの住宅街をとぼとぼ歩いていきました。

竜田川と大和川の合流点
竜田川と大和川の合流点(手前が竜田川、奥が大和川)

川の合流点には心惹かれます。
ロマンをかきたてられます。

地図を見れば、竜田川が大和川に流れ込んでいるのは
一目瞭然ですが、実際に、目の前で合流しているのは、
感動するじゃないですか。

三室山へ

なので今回の旅でも、
大和川と竜田川の合流点には、大いに期待してました。

「奈良で一番キタナい川やで~」

竜田川沿いで朝のジョギングをしている方に聞いたら、
そういう答えが返ってきました。

まあ、大和川も竜田川も、
あまりキレイな川とはいえませんが。

しかし、合流点が見れただけで、私は満足です。
イメージの中に、竜田川は、美しく輝いていました。

竜田川と大和川の合流点
竜田川と大和川の合流点(手前が竜田川、奥が大和川)

さらに竜田川沿いに歩き、三室山にも登ってきました。
山というか、小さな丘です。

三室山登り口
三室山登り口

三室山登り口の案内板
三室山登り口の案内板

三室山
三室山

「何もないで~。ほんま何もないで~」

これも、ジョギング中の方に言われました。しかし、

嵐吹く三室の山の紅葉葉は
竜田の川の錦なりけり

能因法師の歌の心を訪ねて、「三室山」と「竜田川」が
同時に入っている写真を撮ってきました。

三室山から竜田川を望む
三室山から竜田川を望む

山頂には能因法師の供養塔があります。
見晴らしのいい場所で、能因法師もさぞ、
年中いい気分でしょう。

能因法師の五輪塔
能因法師の五輪塔

斑鳩も近いです。

特にこれからの季節
法隆寺ツアーとあわせて、竜田川沿いを歩いてみるのも
いいのではないでしょうか。

というわけで、

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本日も左大臣光永がお話いたしました。
ありがとうございます。