『徒然草』より「負けまいとして打つべし」

こんにちは。左大臣光永です。ゴールデンウィークも後半に入りましたね。
楽しく充実した時間をお過ごしでしょうか?

私は先日思い立って、フラッと上野公園を歩いてきました。噴水の所でボジャボシャボシャーーと水音を聴いていると、頭の中を心地よくかき回される感覚があり、気持ちいいです。

さて先日発売いたしました。
「聴いて・わかる。『徒然草』」for Windows
https://sirdaizine.com/CD/TsurezureInfo.html

すでに多くのお買い上げをいただき、ありがとうございます。
GW中の特別価格での販売になります。お早目にどうぞ。

というわけで、

本日も『徒然草』からお届けします。
「負けまいとして打つべし」です。。

▼音声が再生されます▼

http://roudokus.com/mp3/Tsurezure110.mp3

双六の上手といひし人に、その行(てだて)を問ひ侍りしかば、「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。いづれの手かとく負けぬべきと案じて、その手を使はずして、一目(ひとめ)なりともおそく負くべき手につくべし」といふ。

道を知れる教、身を治め、国を保たん道も、又しかなり。

第百十段

元リクルートマンの悲劇

私は以前、自称「元リクルートのトップ営業マン」と飲んだんですが、あんなに不愉快で鬱陶しい時間はありませんでした。今思い出しても胸がムカムカします。

リクルートという会社は「就職活動」や「サラリーマン」というシステムを作り出し、大学出たら新卒で就職するのが当たり前という空気を作り出し、それを人々に当たり前のことと思い込ませ、しかもそれらを最終的に自分とこがごっそり儲かるような仕組みに仕上げた、すごい企業だと私は思っています。

しかし、あの「元リクルートマン」と接して、とたんにリクルートに対する評価が下がりました。あんな迷惑人間を作りだすくらいなら、リクルートは潰れたほうがいいです。

やたらとこちらのビジネスにアドバイスをしたがるんですね。聞いてもいないのにです。しかも、それがいちいち方向違いのアドバイスです。インターネットビジネスの基本をまったく理解していないことが、1分喋ってわかりました。

「古典なんて仕事にならない」「もっと広くいろいろな分野を語れ」等…方向違いな御高説を垂れまくってくれました。まず「古典が仕事にならない」。これは間違いです。世の中に古典や歴史のファンというものは一定層がいて、キーワード需要(一カ月に検索エンジンで検索される量)も、じゅうぶんにあります。「自分が興味ないから世間も興味が無いだろう」と思うのは早計です。自分の個人的な好き嫌いでなく、きちんと市場調査によって判断しなければなりません。

一般的な基準として、「コンビニに本が置いてある」「本屋にその分野についてのコーナーがある」「それについての雑誌が出ている」こういう分野は、どんなことだってある程度のビジネスにはなります。

自分が興味あるか無いかではなく、「世の中でどれくらいの需要があるか」を冷静に見つめるべきです。ここが間違いの一つ。

そして、「もっと手広くやれ」。これも間違いです。そもそもインターネット自体が広く浅い情報の海です。その中で、「広く浅い」ビジネスって…?不可能です。それが出来るのはamazonや楽天など大資本を持った大企業だけです。個人や中小企業が生き残るには、ぜったいに「狹く深く」でなくてはなりません。「狹く深く」。「狹く深く」を徹底する。これ以外にインターネットビジネスが成立する道はありません。これが間違いの二つ。

「勝たんとして打つ」とは?

で、それならあなたは今、何をやってるんですかと私が訊ねると、

「うーん、今は失業中だけど、将来はバーでも出して、ドーンと儲けようと思ってるんだよ」

ああ、来た来た、この手合いだよとニヤリとしましたね。あまりに典型的すぎて笑っちゃいます。「人脈には自信あるんだ~」「仲間ってサイコー」とか言いながらfacebookで「いいね」押しまくってるタイプです。

あえて言いますが、飲食業とは、基本的に「やってはいけないビジネス」です。

よほど勝つ見込みがあるか、十分に失敗できるだけの潤沢な資金がある場合を除いて、飲食業は絶対にやってはいけないビジネスです。

なぜか?

一 初期投資にかなりの額がかかる。
二 商品単価が安い。
三 常に仕入れの必要がある。
四 実際に始めるまで、売れるかどうかまったく予測できない。

これら四つを見れば、飲食業が基本的には絶対に失敗する、大ばくちだということがわかります。

もちろん、よっぽど売りになる料理があるとか、もともと売れている店を譲り受けるとか、もともと固定ファンがいて、その人のやることなら何でも金を出してくれるファンがいる、芸能人のような場合は別ですよ。

しかし何のツテも無い、勝算も無い人間が飲食業に手を出すのは「負けるばくち」です。だから、絶対にやってはいけないと言っているのです。

「負けじと打つ」とは?

そこで『徒然草』です。

「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。いづれの手かとく負けぬべきと案じて、その手を使はずして、一目(ひとめ)なりともおそく負くべき手につくべし」

「元リクルート」の彼は、銀座にバーを出して年収1億を目指すんだそうです。こういうのを『徒然草』では「勝とうとしてやるばくち」といって否定しているわけです。

「勝とうとして」仕掛けては、いけないというんです。一方、負けまいとするビジネス。その一例が、まさに私がやっているようなコンテンツビジネスです。

まず、初期投資の必要が無い。商品単価が高い。在庫を持つ必要が無い。事前に売れるか売れないかが、かなりの確率で計算できる。だから、負ける心配が少ないんです。

もちろん、リスクが少ないからといって売れるかどうかは別問題です。お客さんがまったくお金を出してくれないなら、商売は破綻します。しかし、その場合でも、最悪、ゼロになるだけです。

飲食業はそもそも膨大な初期投資のために多くは借金をしてから始めます。マイナスからのスタートになるわけです。そのため、うまくいけば万々歳ですが、コケると借金をしょいこんで一家離散。露頭に迷うということに、なるわけです。

一方、当方のように知識や情報を扱うビジネス。またはコンサルタント業のようなものはその人の頭の中に資産があるわけで、設備投資は最小限ですみます。パソコン一台、電話一台でも可能です。広い事務所も必要ありません。

そのため、まったくお客さんが来ない、売れないという場合でも、マイナスにはなりません。ゼロになるだけです。その時は、「なるほど、こういうやり方はダメなのか。よく勉強になった」と、次の一手を考えればいいのです。

これが、「勝とうとして打つばくち」と「負けまいとして打つばくち」の違いです。

「元リクルートの彼」のその後の動向は…、ほぼ私の思った通りでした。

東十条に焼き鳥屋を作って3ケ月で潰し、新宿にバーを開いて半年で潰し、今また失業しているようです。それでもよく頑張ったと思います。特にバーが半年も続くとは意外でした。案外センスがあるのかもしれません。

次に店を出せば大成功するかもしれません。それが「勝とうとして打つばくち」の面白さでしょう。しかし私はやる気になれません。私は今後も「負けまいとして打つばくち」を、徹底していきます。

新発売です。

というわけで、新発売です。

聴いて・わかる。『徒然草』for Windows
https://sirdaizine.com/CD/TsurezureInfo.html

『徒然草』の全文を、現代語訳つきで朗読し、楽しく解説しました。一文一文を丁寧に読み解き、歴史的背景も含めてわかりやすく解説していきます。古文に抵抗がある方も、現代語訳があるから大丈夫です。無料のサンプル音声もございます。ぜひ聴きにいらしてください。
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